こんにちは! 最近、東京都庁前で「エジプト合意撤回」を求めるデモが行われたというニュースを見た人も多いと思います。9月12日と13日に新宿の東京都庁第一庁舎前に数百人以上が集まりました。
背景にあるのは、東京都とエジプトの間で結ばれた「エジプト人労働者の就労支援に関する合意書」です。
でも、私が気になるのは「合意そのもの」よりも、それをきっかけに広がる「外国人嫌い」の空気です。なんとなく「外国人が増える=悪いこと」と短絡的に結びつける声が大きくなっているように思います。ここで一度立ち止まって考えてみたいと思います。
合意書の内容を冷静に整理すると
2025年8月に東京都産業労働局とエジプト・日本経済委員会が結んだ合意は、ざっくり言えば以下の3点です。
- エジプトで日本式のスキル研修を実施する支援
- 東京都が就労情報を提供し、マッチングを促進
- 狙いは人手不足対策(建設・介護など)
重要なのは、東京都に「移民を受け入れる権限」はないということです。ビザの発行は国の仕事なので、この合意で突然大量に移民が流れ込むわけではありません。
デモ参加者の懸念と、その裏にある「外国人嫌い」
デモ参加者は「説明不足」「治安悪化の心配」「都民を後回しにするな」と訴えていました。表面的には筋が通っているようにも見えます。
でも実際には「移民ストップ」「日本人だけでやっていける」といったスローガンが並び、外国人そのものを敵視する声が強く響いていました。
私は、ここに危うさを感じます。日本社会の課題、低賃金や労働環境の悪さ、人手不足の根本原因を直視せず、「外国人のせい」にすり替えてしまう。これは歴史的に見ても繰り返されてきた典型的な排外主義のパターンです。
本当に議論すべきは「人手不足をどう解決するか」
エジプト人労働者を受け入れるかどうかよりも大事なのは、次のような課題です。
- なぜ日本の若者や現役世代が建設や介護の仕事を選びにくいのか
- 賃金や労働条件をどう改善すればよいのか
- 外国人と共に働く現場をどう支えていくのか
外国人を排除しても、少子高齢化で人手不足は解決しません。むしろ社会が回らなくなるだけです。
「外国人嫌い」に流されない社会へ
もちろん、都民への説明不足や政治の不透明さは批判されるべきです。ですが、それと「外国人は来るな」を同列に扱ってしまうと、ただの差別にすり替わってしまいます。
残念ながら、参政党など一部の政治勢力が「外国人が悪い」というシンプルなフレーズで支持を広げているのも事実です。けれども、それに乗ってしまうと私たちは本当に大事な問題を見失ってしまいます。
まとめ
東京都とエジプトの合意は、日本社会が抱える課題を映し出すひとつのきっかけです。
- 外国人を排除するかどうか、という狭い議論ではなく
- 働きたい人が安心して働ける社会をどう作るか
- 多様な人が共に暮らす現実をどう支えるか
この視点で考えることが、未来の東京や日本にとってずっと大事だと思います。
「なんとなく外国人が嫌い」ではなく、「どうすれば社会を持続可能にできるのか」を一緒に議論していきたいですね。