
演説はいつ・どこで行われた?
2025年9月22日、自民党総裁選の告示日に行われた「所見発表演説会」で、高市早苗候補(前経済安全保障担当相)が発言しました。
総裁選は自民党の新しい党首を決める選挙であり、党首は事実上、日本の首相になるため大きな注目を集めています。
高市さんは奈良県選出の議員で、保守派として知られています。
演説の内容
冒頭で自らを「奈良の女」と紹介し、奈良公園の鹿を題材に話を展開しました。
万葉集の歌を引用し、奈良の鹿が1300年以上も文化の象徴とされてきたと強調。
そのうえで「奈良の鹿を蹴ったり殴ったりする人がいる。外国から来て日本人の大切にしているものを傷つける人がいるとしたら問題ではないか」と訴えました。
この話をきっかけに「外国人の受け入れは必要だが、急激すぎる政策は社会をギスギスさせる」と述べ、外国人との付き合い方を「ゼロベースで見直す」と主張しました。
演説全体は、日本の経済・安全保障・伝統を守る姿勢を強調し、保守層へのアピール色が強いものでした。
なぜこの発言をしたのか?
背景には外国人観光客の増加によるマナー問題、いわゆるオーバーツーリズムへの不満があります。
高市さんはこれを「外国人問題」として取り上げ、保守層に響くテーマとして利用したと考えられます。
一方で、野党からは「外国人への偏見を助長する」との批判も出ています。
発言は事実か?
高市さんが演説でこの発言をしたのは事実で、NHKなど複数のニュースメディアが全文や動画を公開しています。
ただし「誰が、いつ、どの鹿を暴行したのか」について具体的な証拠は示されていません。
根拠としては、2024年頃にSNSで拡散された動画を指しているようですが、現在は多くが削除されています。
鹿への暴行はあったのか?
- 奈良県庁によると、公園の巡回で観光客による暴行は確認されておらず、通報もほとんどない
- 過去に鹿が傷つけられた事件はあるが、外国人によるものは確認されていない
- 奈良公園の鹿は観光客に慣れており、軽いトラブルはあるが「外国人による暴行」が日常的に起きている事実はない
つまり、鹿暴行が「外国人によるもの」という説は根拠が乏しく、デマの可能性が高いと考えられます。
へずまりゅうとの関係
元迷惑系YouTuberで奈良市議となった「へずまりゅう」(本名: 原田将大)も大きく関係していると指摘されています。
彼は2024年頃から「奈良公園の鹿を守る」として、中国人観光客が鹿を蹴ったり叩いたりする動画をSNSに投稿しました。
市議会でも罰則強化を求めるなど活動しましたが、動画には暴力シーンが明確に映っていないものも多く、信頼性には疑問が残ります。
高市さんの発言は、こうしたへずまりゅうの動画や主張をベースにしていると見られています。
まとめ
高市さんの演説は「奈良の鹿」をシンボルにし、保守票を意識したものでした。
しかし、鹿暴行の事実は確認されておらず、根拠として挙げられるのは信頼性に欠ける動画です。
演説を聞く際には、政治的な思惑を踏まえつつ、奈良県など公式の事実確認を参考にする必要があります。