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スペースXが史上最大の上場、12兆円調達 マスク氏は世界初の「兆万長者」へ

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結論|何が起きたのか

イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業「スペースX」が、2026年6月12日(日本時間同日夜)、米国のナスダック市場に上場しました。

この上場で調達したお金は、約750億ドル(約12兆円)。これは過去最大規模のIPO(新規株式公開=会社の株を初めて市場に売り出すこと)です。

会社全体の価値は1兆7700億ドル(約280兆円)を超え、一気に世界トップクラスの企業の仲間入りを果たしました。マスク氏個人の資産も大きく膨らみ、「世界初の兆万長者(資産1兆ドル超の大富豪)」になるとも報じられています。

そもそもスペースXとは

スペースXは2002年にマスク氏が設立した会社です。手がけている事業は大きく3つあります。

ひとつ目は、ロケットの打ち上げです。使い終わったロケットを回収して再び使う「再使用型ロケット」で打ち上げ費用を大きく下げ、宇宙ビジネスをリードしてきました。

ふたつ目は、衛星インターネットサービス「スターリンク」です。たくさんの小型衛星を使い、地上の回線が届きにくい地域でもインターネットが使えるようにするサービスです。2026年3月末時点で加入者は約1030万人にのぼり、164の国・地域でサービスを提供しているとされています。

3つ目が、近年加わったAI(人工知能)事業です。2026年初めに、マスク氏のAI企業「xAI」をスペースXに統合したとされ、AI「Grok(グロック)」の開発やデータセンター事業も手がけています。つまり今のスペースXは「宇宙×通信×AI」の複合企業になっているのです。

上場の経緯と異例ずくめの中身

今回の上場は、いくつもの点で「異例」でした。

まず規模です。この上場でスペースXの企業規模は1兆7500億ドル(約280兆円)以上に引き上げられ、メタやテスラを上回り、米国企業のトップ7位前後に入る見込みとされています。調達額は、これまで史上最大とされたサウジアラムコ(約294億ドル)を大きく上回ります。

次に、個人投資家への配分が大きかった点です。個人投資家向けの枠が最大30%と、通常のIPOでは考えられない大きさだったとされます。日本の証券会社でも上場初日から取引でき、関心を集めました。

一方で注意点もあります。今回売り出された株は会社全体の約4.3%にすぎず、既存株主が株を手放すことはほぼありませんでした。さらにマスク氏は、自分の経営支配権を守るため、議決権の強い種類の株を使うなどの手法をとったと報じられています。

各方面の反応と論点

上場初日、株価は買い注文が殺到する好調なスタートを切りました。公募価格135ドルに対し、寄り付き(最初に付いた値段)は150ドルと、11%ほど高い水準でした。その後も値を上げる場面がありました。

ただし、楽観論ばかりではありません。スペースXは昨年、約50億ドル(約8000億円)の赤字を計上しており、他の巨大テック企業に比べると収益の規模はまだ限られています。「会社の評価が高すぎるのではないか」という慎重な見方もあります。実際、一部の証券会社は「売り推奨」の評価を出しています。

専門家の間では、今回の上場が「マスク・プレミアム(マスク氏の名前が持つ期待感の上乗せ)」の試金石になるとの見方も出ています。

今後の展開とまとめ

今回の上場には、もうひとつ大きな意味があります。スペースXの上場の成否は、今後に控えるアンソロピックやオープンAIといったAI企業の大型上場に対する、投資家の意欲を占う指標にもなるとみられています。

つまりスペースXは、宇宙ビジネスの会社であると同時に、これから続く「巨大IPO時代」の先頭を走る存在として注目されているのです。

【日本への影響】 日本にとっても無関係ではありません。スターリンクは日本国内でも提供されており、災害時の通信手段としても期待されています。また今回、日本の個人投資家も多く参加し、身近な「世界的な投資テーマ」となりました。今後の株価の動きや、後に続くAI企業の上場の行方は、日本の投資家にとっても関心の高いニュースになりそうです。


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