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イラン情勢がおさまらないと、私たちの生活はどうなる?ガソリン・電気代・物価への影響を解説【2026年3月最新】

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イラン情勢


「ガソリンがまた値上がりした」「来週はもっと上がるって本当?」——そんな不安の声をあちこちで耳にするようになりました。

2026年2月28日、アメリカとイスラエルがイランへの大規模攻撃を開始してから2週間。最高指導者ハメネイ師の死亡、ホルムズ海峡の事実上の封鎖、そして原油価格の急騰と、ニュースは毎日のように激しく動いています。

「中東の話でしょ?」と思っていた人も、ガソリンスタンドの看板や電気代の検針票を見てじわじわと「これ、自分ごとだ」と感じ始めているのではないでしょうか。

この記事では、今の状況を整理しながら、「このままおさまらなかったら日本の生活はどうなるのか」を、できるだけわかりやすく解説します。


いま何が起きているのか?【2026年3月12日時点】

攻撃開始から12日目——戦闘は現在進行形

2月28日に始まった米・イスラエルによるイラン攻撃は、今日で12日目を迎えます。今回の攻撃は2025年6月の「核施設3か所への1回限り」とは規模が違います。イラン全土の軍事施設・防空網を標的にした広範囲な作戦で、米側は「さらに攻撃を続ける」としています。

イランも黙ってはいません。イスラエルへの報復はもちろん、UAEやバーレーン、カタールにある米軍基地も攻撃。双方の報復合戦が続いている状況です。

ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に

この戦闘で最も深刻な影響が出ているのが、ホルムズ海峡です。

ホルムズ海峡とは、中東の産油国(サウジアラビア・UAE・イラクなど)から石油を運ぶタンカーが必ず通る「海の関所」です。世界の石油消費量の約20%がここを通過しています。

3月2日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡の封鎖を宣言。タンカー3隻への攻撃も確認され、日本郵船・川崎汽船などの大手海運会社も通峡を停止しています。さらに世界の大手海上保険会社がこの海域への保険引き受けを相次いで停止し、タンカーが物理的に通れない状況になっています。

原油価格はどこまで上がったか

攻撃前の2月27日時点でブレント原油は1バレル72ドル。それが3月9日には110ドルまで上昇しました。一時的に120ドルに迫る局面もあったと高市首相自身が3月11日の記者会見で言及しています。


私たちの生活への影響①——ガソリン代

もう値上がりは始まっている

経済産業省が3月11日に発表した最新のガソリン価格(3月9日時点)は、全国平均で1リットル161円80銭。前週より3円30銭上がり、4週連続の値上がりとなりました。

ただし、これはまだ「攻撃前の原油高が反映されたもの」です。2月28日以降の急騰分はこれからガソリン価格に乗ってきます。石油情報センターは「来週(3月16日以降)にはレギュラーガソリンが1リットル180円を突破する可能性がある」と見ています。

石油元売り各社は3月12日以降の卸値を平均26円引き上げる方針で、これが店頭に反映されれば、一気に大幅な値上げになります。

「200円超え」はあり得るのか

専門家の試算によると、ホルムズ海峡が完全封鎖のまま長期化し、原油が140ドル台まで上がった場合、ガソリンは「1リットル328円」に達するという計算も出ています。これは最悪シナリオですが、200円超えは「あり得ない話ではない」という見方が広がっています。

政府はどう動いているか

高市首相は3月11日の会見で、緊急の価格対策を発表しました。石油元売りへの補助金(激変緩和措置)を拡大し、全国平均170円程度に抑える方針です。民間備蓄15日分と国家備蓄1か月分の放出も合わせて実施します。

ただし、「170円目標」は補助金あってのこと。原油高が続けば補助金の財源(燃料油価格激変緩和対策基金)も限界があります。


私たちの生活への影響②——電気代・ガス代

石油が上がると、電気代にも波及します。LNG(液化天然ガス)の価格も上昇しているからです。

日本のLNG輸入は大部分がオーストラリア・マレーシア・米国からで、中東依存は約11%と原油ほど高くはありません。ただし、LNG売買契約の多くは「原油価格連動型」のため、原油が上がればLNG価格も上がる仕組みです。日本・韓国向けLNG価格(JKM)はすでに2月27日比で50%上昇しています。

「電気代・ガス代は数か月後に反映される」という特性があるため、今後の請求書がどうなるか、要注意です。


私たちの生活への影響③——食料品・日用品

「ガソリンが上がると食品も上がる」という経験をお持ちの方も多いでしょう。理由はシンプルで、物流(トラック輸送)のコストが上がるからです。

農業でも燃料費や肥料代(化学肥料の原料も中東産が多い)が上がれば、食料価格に転嫁されます。野村総合研究所の試算では、今回の原油高が長期化した場合、日本の消費者物価指数(CPI)を1年間で1%以上押し上げる可能性があります。


「このままおさまらなかったら」3つのシナリオ

野村総合研究所の専門家は今後を3段階で整理しています。

シナリオ 原油価格 ガソリン(試算) GDP押し下げ効果
①短期収束(楽観) 〜87ドル 〜170円台 限定的
②長期化・一部混乱(ベース) 87〜110ドル 180〜200円 △0.3%程度
③完全封鎖・長期化(悲観) 140ドル超 200〜300円超 △0.65% + スタグフレーション

現在は「①と②の間」にいる状態と見られています。ただし、イラン新指導部の出方次第で急変もあり得ます。


よくある疑問にお答えします

Q:日本の石油は本当に大丈夫?

高市首相は3月2日の会見で「石油備蓄は現在254日分ある」と表明しています。国家備蓄+民間備蓄を合わせた数字です。「ガソリンがすぐになくなる」という心配は今のところ不要です。

ただし、備蓄は「価格が上がるのを防ぐもの」ではありません。価格の上昇は今後も続く見込みです。

Q:1973年のオイルショックのように買い占めは起きる?

専門家は「ないとは言い切れない」と指摘しています。トイレットペーパーなどの買い占めが起きた1973年当時より備蓄体制は格段に整っていますが、不安心理が広がればあり得る話です。「必要な分だけ冷静に」という行動が状況を安定させます。

Q:停戦の見通しは?

トランプ大統領は「任務完遂まで続けるが、長引かせたいわけではない」と繰り返し発言しています。米側はイランの防空網・ミサイル拠点をほぼ破壊したと評価しており、軍事的な「目標達成」に近づいているとも言われます。一方、ハメネイ師亡き後のイラン新指導部(モジタバ・ハメネイ氏)が強硬路線を維持するか、交渉に転じるかが焦点です。


個人でできる備えは?

  • 給油は「満タン」より「適量」を:買い占め的な行動は価格をさらに押し上げます
  • 電気の節約を意識する:エアコンの温度を1〜2度調整するだけでも違います
  • 食料の適度なストック:物流の遅延に備え、1〜2週間分の食材があると安心です
  • 経産省・首相官邸の情報をチェック:価格対策の変更は随時発表されます

まとめ

イラン情勢の長期化が日本の生活に与える影響は、エネルギー価格の上昇を中心に確実に出てきています。ガソリンはすでに4週連続値上がり、来週にはさらなる急騰の可能性があります。

政府は価格抑制策を打っていますが、根本的な解決はホルムズ海峡の安定化次第です。1〜2週間以内に何らかの転換があるか、それとも長期化するか——状況は日々動いています。

「すぐには崩壊しない、でも長引けば本格的に痛い」というのが現時点での正直な見立てです。信頼できる公式情報(首相官邸・経済産業省)を定期的に確認しながら、冷静に対応していきましょう。