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AI失業の不安拡大、ベーシックインカム議論をわかりやすく解説

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AI失業の不安拡大、ベーシックインカム議論

AIに仕事を奪われるのではないか――。そんな不安が世界中で広がっています。その備えとして、いま改めて注目されているのが「ベーシックインカム(BI)」です。働いているかどうかや収入に関係なく、国がすべての人に毎月一定額のお金を配る制度のことです。アメリカではAI業界のトップが導入を呼びかけ、日本でも政党や専門家が議論を始めています。この記事では、何が論点になっているのかを整理します。

何が起きているのか

きっかけは、生成AIの急速な進化です。これまでAIは、単純作業の効率化や検索・要約など、限られた使い方が中心でした。しかし最近は、文章づくり、プログラミング、顧客対応、さらには専門職の補助まで担い始めています。

つまり「人にしかできない」とされてきた知的な仕事の一部も、AIが肩代わりできるようになってきたのです。そうなると企業は少ない人数で同じサービスを提供でき、業績は上がりやすくなります。一方で、仕事を失う人が増えるのではないかという懸念が強まっています。

背景・経緯

ベーシックインカム自体は、新しい考えではありません。これまでも、格差や貧困を減らす手段として、ヨーロッパを中心に議論されてきました。

実際に小さな実験も行われています。フィンランド政府は失業者を対象に毎月一定額を給付する実験を実施。アメリカでは、ChatGPTを開発したオープンAIのアルトマンCEOが関わる研究チームが、3年間にわたり毎月1000ドル(約15万円)を無条件で支給する実験を行いました。

これらの実験では、受け取った人の幸福度や精神的な健康が改善した一方で、就業率への影響は限られていたと報じられています。「働かなくなる制度」というより、「安心を土台に新しい挑戦を後押しする制度」という見方も示されています。

各方面の反応・論点

推進する側は、AIが生み出す豊かさをみんなで分け合えばよい、と考えます。テスラなどを率いるマスク氏は、失業した人にも年6万ドル(約1000万円)以上を配るという、BIをさらに発展させた構想に言及したと報じられています。

慎重な側が最も問題視するのは「財源」です。ある試算では、日本で全国民に毎月10万円を配ると、年間150兆円規模が必要になるとされます。これは国家予算に匹敵する大きさです。ほかにも、働く意欲が下がるのではないか、テック企業が人員削減を正当化する口実にしているのではないか、といった批判もあります。

日本国内では、いきなりBIを始めるのではなく、その前段階として「給付付き税額控除」(所得や年齢などの条件に応じて、給付や減税を行う仕組み)から備えるべきだという案も出ています。条件を少しずつ緩めていけば、将来BIに近い形へ移しやすい、という考え方です。

今後の展開・まとめ

すぐに本格的なBIが実現する可能性は、現時点では高くないとみられます。財源や社会保障との整合性、働き方への影響など、乗り越えるべき課題が多いためです。

ただ、給付付き税額控除のような「BIに近い制度」から段階的に広がっていくのではないか、という見方もあります。AIが仕事のあり方を大きく変えようとしているいま、「人はなぜ働くのか」「お金とどう向き合うのか」という根本的な問いも含めて、社会全体で考える時期に入っているといえそうです。


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