立憲民主党が提案する「給付付き税額控除」。ニュースで耳にしても「結局どういう仕組み？」「消費税と関係あるの？」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、初心者でも理解しやすいように、立憲民主党の政策を整理してみます。
給付付き税額控除とは？
「給付付き税額控除」は、本来は所得税や住民税に関連する仕組みです。税額控除で減らしきれなかった分を現金で支給するため、低所得者でも実際に恩恵を受けられるようになります。
立憲民主党は、この仕組みを「消費税の逆進性」を緩和する目的で使おうとしています。消費税は収入に関係なく一律の税率（10%）がかかるため、所得が低い人ほど生活への負担が大きくなりがちです。その問題を解消するために、以下のような形で支援する仕組みです。
つまり、税金を減らすか、お金を渡すかで、生活への負担を和らげる制度です。
具体例でイメージしてみよう
立憲民主党の説明をもとに、仮の数字でイメージを示してみます。
年収200万円のAさん（低所得者）
- 年間で消費税を約5万円負担。
- 給付付き税額控除により、3万円分が支援対象に。
- 所得税はほとんど払っていないため、税額控除では足りない。
- 現金で3万円を受け取れる。
年収600万円のBさん（中所得者）
- 同じく消費税で5万円を負担。
- 支援額は2万円分。
- 所得税をそこそこ払っているので、税額控除で2万円分減税。
- 現金給付はなし。
高所得者
収入が多い人は対象外。支援はありません。
このように、収入が低い人ほど手厚く支援され、消費税の逆進性を緩和できる仕組みです。
立憲民主党のプランとは？
立憲民主党は、まず2026年4月から1年間、食料品の消費税を0%にする案を掲げています。物価高で家計が厳しい中、即効性のある支援を行う狙いです。その後、恒久的な仕組みとして「給付付き税額控除」に移行し、中低所得者を対象とした支援を続けるとしています。
なぜ1年間だけ0%？
- 物価高への即効的な対策として。
- 給付付き税額控除の準備期間を確保するため。
財源はどうする？
財源としては、外国為替資金特別会計の剰余金や税収の上振れ分、政府の基金などを充てると説明されています。
メリット
- 低所得者の生活支援：生活必需品の消費税負担を軽減できる。
- 公平性の確保：高所得者ではなく、本当に困っている人に絞って支援が届く。
- 自動的な仕組み：マイナンバーなどを使って所得を把握し、自動的に給付されるため、レシート提出などの手間は不要。
課題・注意点
よくある誤解
「レシートを集めて申告するの？」
いいえ、必要ありません。制度の設計では、マイナンバー制度を活用して所得情報を把握し、自動的に給付を行う仕組みが想定されています。総務省の家計調査データなどは参考にされることがありますが、個人がレシートを提出したり申告する必要はありません。
「消費税そのものを減税すればいいのでは？」
消費税減税は高所得者にも恩恵が大きい一方、給付付き税額控除は低所得者に重点的に支援を届けられるのが特徴です。財源の効率的な使い方という点で違いがあります。
まとめ
「給付付き税額控除」は本来は所得税・住民税に関連する仕組みですが、立憲民主党はこれを消費税対策に応用しようとしています。
1年間の食料品消費税0%という即効策の後、恒久的な支援として制度を導入。
低所得者ほど手厚く助ける「公平な税制」を実現できるか、今後の議論に注目です。
