2025年4月22日、ローマ教皇フランシスコが亡くなったというニュースが報じられました。世界中のカトリック信者にとって、とても大きな出来事です。 でも、「ローマ教皇って何?」「コンクラーベって何のこと?」と思う人もいるかもしれません。この記事では、ローマ教皇の役割や、次の教皇を選ぶ「コンクラーベ」について、できるだけわかりやすく解説します。
ニュースの概要 フランシスコ教皇が死去
NHKの報道によると、フランシスコ教皇は2025年4月21日、バチカン市国で亡くなりました。享年88歳。2013年に教皇に選出され、環境問題や貧困の解決に積極的に取り組んできたことで知られています。 教皇の死去を受け、バチカンは次の教皇を選ぶための準備を開始すると発表しました。今後、「コンクラーベ」と呼ばれる教皇選挙が行われます。
ローマ教皇とは?
ローマ教皇は、カトリック教会の最高指導者です。カトリックは、キリスト教の一派で、世界中に約13億人の信者がいます。そのトップに立つのがローマ教皇です。 教皇はバチカン市国の元首でもあります。バチカンはイタリア・ローマ市内にある独立国家で、面積は約0.44平方キロメートル。東京ディズニーランドと同じくらいの広さです。 教皇の役割は「信仰と道徳の指導者」であり、信者に教えを示すほか、世界中の司教を任命したり、大きな宗教行事を執り行ったりします。たとえば、フランシスコ教皇はクリスマスやイースターのミサなども担当していました。 教皇の起源は、イエス・キリストの弟子「ペトロ(ペテロ)」にさかのぼります。カトリックでは、ペトロが初代教皇とされていて、その後継者として教皇が代々選ばれてきたのです。フランシスコ教皇は266代目でした。
コンクラーベ(教皇選挙)とは?
コンクラーベ(Conclave)は、新しい教皇を選ぶための選挙です。教皇が亡くなったり辞任した場合、全世界の枢機卿(すうききょう:Cardinal)が集まり、投票によって次の教皇を決定します。 選挙は非常に厳粛かつ秘密厳守で行われ、外部との通信やメディアとの接触は禁止されます。
コンクラーベの流れ
- 教皇の死去後に準備開始
教皇が亡くなると、教皇庁の管理責任者「カメルレンゴ」が教皇の住まいを封鎖します。フランシスコ教皇はバチカン内の宿舎「サンタ・マルタ館」に住んでいたため、そこが封鎖対象となります。その後15~20日以内にコンクラーベが始まります。 - 選挙に参加するのは80歳未満の枢機卿
投票権を持つのは、80歳未満の枢機卿たちです。2025年時点では、約120人が参加する見込みです。選挙はバチカンのシスティーナ礼拝堂で行われます。 - 1日4回の秘密投票
投票は1日4回。外部との連絡は禁止されており、スマートフォンやインターネットは使えません。投票では3分の2以上の得票(約80票)が必要です。決まらない場合は、日をまたいで続行されます。 - 白い煙=教皇決定の合図
投票後は用紙を焼却し、その煙の色で結果を知らせるのが伝統です。黒い煙は「まだ決まっていない」、白い煙は「新しい教皇が決まった」ことを意味します。
コンクラーベの歴史
「コンクラーベ」という言葉は、ラテン語で「鍵をかける」という意味があり、枢機卿たちを隔離して選挙に集中させるという目的があります。13世紀から続く伝統的な制度で、かつては2年以上教皇が決まらなかったこともありました。 近年は数日で決まることが多く、フランシスコ教皇も2013年の選挙で2日目に選出されました。
次の教皇は誰に?
フランシスコ教皇の後継者を決めるコンクラーベは、2025年5月上旬にも始まると見られています。 フランシスコ教皇はリベラルな政策を打ち出し、環境問題や貧困対策に取り組んできました。その路線を継ぐ人物が選ばれるのか、それとも保守派が巻き返すのか、注目が集まります。
まとめ 教皇とコンクラーベ
ローマ教皇は、世界13億人の信者を導くカトリックの最高指導者です。2025年4月21日に亡くなったフランシスコ教皇の後を継ぐ次の教皇は、5月に行われる「コンクラーベ」で決まる予定です。 伝統と厳粛さに包まれた選挙が行われ、新しい教皇が「白い煙」とともに世界に発表されます。歴史的な瞬間に注目です。