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やさしく疑問を解説

「生活保護の過半数が65歳以上、低年金のツケが明らかに」について

ニュースのポイント 高齢者が生活保護の主流に

日本経済新聞の記事「生活保護、受給者の過半が65歳以上 低年金放置のツケ」(2025年2月1日付)によると、生活保護を受けている人の半分以上が65歳以上の高齢者だそうです。具体的には、2024年11月の時点で全国の受給者は約205万人。そのうち、65歳以上が約108万人で、52.7%を占めています。初めて過半数を超えたこの数字、ちょっと衝撃的ですよね。生活保護って、国が最低限の生活を保障する制度。収入が少なすぎて暮らせない人に、家賃や食費、医療費をサポートする仕組みです。でも、なぜこんなに高齢者が多いのか、そこが問題の核心なんです。

低年金が原因 お金が足りない現実

一番の理由は「年金が少なすぎる」こと。年金は老後の生活を支えるお金で、国民年金や厚生年金があります。国民年金だと、満額でも月6.8万円くらい(2024年度基準、2025年は少し増えるかも)。でも、保険料を払えなかったり、非正規で働いてたりした人はもっと少ない。例えば、月5万円とかだと、家賃4万円、食費3万円、光熱費1万円で、もうマイナスですよね。厚生年金でも、低賃金の仕事が長かった人は月10万円以下なんて普通にあります。これじゃ生活できないから、生活保護に頼る人が増えるんです。

具体例で見る 70歳のおばあちゃんの場合

たとえば、70歳で一人暮らしのおばあちゃんを想像してみてください。年金が月7万円。家賃4万円、食費3万円、光熱費1万円で、ギリギリゼロ。でも、風邪を引いて病院に行ったり、冬に暖房を使ったりしたら赤字確定。貯金があればいいけど、長生きすれば底をつくし、頼れる家族がいなければ、もう生活保護しか選択肢がない。こういう人が全国にたくさんいて、108万人という数字につながってるんです。

「放置のツケ」って何?過去の怠慢が今に

記事の「低年金放置のツケ」って言葉、ズシッとくる表現ですよね。これは、年金が少ない問題を国がずっと放置してきた結果だよ、って意味。1990年代のバブル崩壊や2000年代の不景気で、非正規雇用が増えて、年金保険料を払えない人が増えた。でも、政府は年金をもっと増やすような大きな改革をやってこなかったんです。年金支給額を増やすには税金や保険料を上げる必要があるけど、「増税は嫌」「若者に負担かけられない」と先送り。そしたら、低年金の高齢者が増えて、生活保護に流れちゃった。これが「ツケ」なんです。

高齢化と財政の現実 国の負担が重く

日本は高齢化がすごい。2025年現在、65歳以上は約3600万人で、人口の3分の1くらい。一方で、働いて税金を払う現役世代は約7000万人と減っていて、国の財政はキツイんです。生活保護にかかるお金は2024年度で約3.8兆円、2025年はもっと増える見込み。社会保障費全体だと約35兆円で、国の予算の3分の1以上。これ以上生活保護が増えると、税金で賄う負担がさらに重くなる。年金も生活保護も、現役世代の税金や保険料で支えてるから、みんなに関係ある話なんですよ。

解決策は?難しい選択肢しかない

じゃあ、どうすればいいか。記事では、年金支給額を増やす改革が必要ってニュアンスがあります。でも、それにはお金がいる。消費税を上げたり、現役世代の保険料を増やしたりするしかないけど、「若者に負担かけすぎ」と反発が出る。企業に厚生年金の負担を増やせば「コストが上がる」と文句が出るし、国が税金で補うにも限界がある。逆に何もしなければ、生活保護が増え続けて、やっぱり税金でカバーするしかない。このジレンマが解決を難しくしてるんです。政治が本気で決断しないと、どうにもならない状況ですね。

私たちへの影響 将来も他人事じゃない

このニュース、実は他人事じゃないんです。40代以下の人なら、「自分が年取った時、年金で暮らせるのかな」と不安になるよね。一方で、今の高齢者は「年金少なくて生活キツイ」と感じてる。このギャップを埋めるには、年金や社会保障を見直すしかない。でも、それが簡単なら、こんな「ツケ」は溜まってなかったはず。結局、低年金問題は、親や祖父母の老後、そして自分の将来にもつながる話。税金がどう使われるか、誰が負担するか、ちょっと考えてみると身近に感じるんじゃないでしょうか。